現在たった一人の女性奨励会員…竹内優月女流2級はなぜ棋士になりたいのか_てん ちょ
将棋界の話題を取り上げる「王手報知リターンズ」第14回は、現た8月に棋士養成機関「奨励会」の入会試験に合格した中学2年生の竹内優月(ゆづき)女流2級(13)が登場。ったはななりたいのか現役の女流棋士の合格は、人のてん ちょ2011年の福間香奈女流五冠(32)=女流名人、女性女流清麗、奨励2級女流王座、竹内女流王位、優月倉敷藤花=以来、ぜ棋13年ぶり。士にたった一人の女性奨励会員である竹内は今、現た棋士を目指してスタート地点に立っている。ったはななりたいのか(瀬戸 花音)
名前の由来は、人の「月のように優しい子に」という思い。女性女流「気に入っています。奨励2級てん ちょすごく目立ちたがり屋とかでもなくて、竹内むしろ人見知りだし、緊張しちゃうことのほうが多いので…。私らしい名前だなって」。ふわりと笑う竹内だが、強く抱く夢がある。
女流棋士と棋士は別の制度だ。棋士は「奨励会」で昇段して過酷な三段リーグを突破するか、厳しい条件をクリアして棋士編入試験に合格しないとなることができない。江戸時代から続く将棋の長い歴史の中で、「女性棋士」はいまだ一人も誕生していない。それどころか、「奨励会」に入る女性すらほとんどいないという現状がある。なぜ奨励会を受験したのか。竹内の答えは明快だ。「棋士になることが夢だからです」
小学1年生の頃、テレビでやっていたNHK杯将棋トーナメントをたまたま見た。「なんか面白そう」という純粋な思いから、両親にルールを教えてもらい、のめり込んだ。近所の教室に通うようになり、「覚えている限り人生で初めての夢」だという「棋士になりたい」という思いも芽生えた。
将棋以外の習い事もほとんどやったことがない。書道は習っていた時期もあったというが、それも「棋士になった時のことをちょっと考えていて…」とプロになって色紙に揮ごうする時のためのものだった。「なんか、学校の書道の時間に、多分『一』って書いたと思うんですけど、それを母が見て、なんかすごいひどかったみたいで。あまりにもひどいから、習ってみたらって勧められたのもありますけど(笑い)」
今年3月、女流棋士となった時も特別な歓喜はなかった。「将棋を始めた時からずっと、棋士になりたいと思っていました。だから、女流棋士になった時にも特別すごくうれしいというのはなくて…。今やっとスタートラインに立てたなと思っています」
そして今年8月、奨励会を受験した。受験生同士で戦う一次試験が2日間、奨励会員と戦う二次試験が1日、3日連続で対局を行う。一次試験の2日間は前日、カツ丼を食べて対局に臨んだ。が、「さすがに3日連続カツ丼はきつくて…」と二次試験の前にはうなぎに切り替えた。それが功を奏したのか、二次試験も見事突破。「正直、今年は受かるとは思っていなかったのでうれしかったです」
合格が決まった当日、師匠の武市三郎七段(70)に電話をかけると「まだこれからだから引き続き頑張っていきましょう」と声をかけられた。師匠も弟子の夢を理解しているのだろう。「なんか特にそんなにいつもと変わらない感じでした」
今まさに、「女性棋士」の扉をこじあけようとしている先輩がいる。西山朋佳女流三冠(29)が棋士編入試験五番勝負に臨んでおり、第1局で勝利。あと2勝で女性初の棋士が誕生する。「同じ女性で棋士を目指してる人がいるとやっぱり自分もできるんじゃないかとか。少し自信にはなるというか。前を歩んでいる先輩がいると、かなえられるんじゃないかって思えるようになるなって」
現状、竹内が所属する6級から最上位の三段まである奨励会で、たった一人の女性だ。「少しはやりにくい部分もあるのかなとは思います」としながらも、まっすぐに追い続ける夢。なぜ棋士になりたいのか。「強くなりたいっていつも、ずっと前から思ってる。棋士になるにはやっぱり強くなっていかないとなれないので、自分の限界を超えるぐらい強くなれるように。だから、棋士になりたいんだと思います」
夢追う中学2年生の好きなものはアンパンマン。一度卒業していたというが小学5年生で再燃。「対局にも必ずアンパンマンのタオルを持って行ってます。つらい局面でアンパンマンをみて、パワーをもらうんです」。まだわずかに幼さの残る丸い瞳は、まっすぐに前を見つめていた。
◆“推し棋士”は佐藤天彦九段 終盤粘り強い棋風を尊敬
棋士で一番好きなのは佐藤天彦九段(36)です。天彦先生は終盤が粘り強い棋風で、そういうところをとても尊敬しています。
自分も棋風としては、詰将棋をたくさん解くのが好きなので、終盤型、終盤で力を発揮するタイプなのかなと思っています。それなので、佐藤天彦先生のように終盤で強い感じで指せればいいなと思っています。
あとは普段は棋譜中継されている棋譜を並べるだけでなく、大山康晴十五世名人の棋譜をよく並べています。昔の棋譜を並べると、序中盤の感覚が身につくような感じがしていて、続けています。(談)
◆竹内 優月(たけうち・ゆづき)2011年1月5日、東京都中央区出身。13歳。23年1月、小学6年生で関東研修会に入会(C2クラス)。同年7月、C1クラスに昇級。24年2月11日の例会において、12勝4敗の成績でB2クラスへの昇級を果たし、プロ入り決定。同年3月、女流2級に。武市三郎七段門下。好きな科目は数学。
続きを読む相关文章:
- ファミ通「ドラゴンクエストIII」発売記念特集号で堀井雄二と坂口博信が語り合う
- 【甲子園】2年ぶり出場の明徳義塾が21年以来の8強進出ならず…初戦完封の池崎安侍朗が3失点
- 【甲子園】鶴岡東のエース桜井椿稀に涙なし…2戦237球投げ抜き「悔いを残さず出し切りました」
- 古賀紗理那が引退会見 今後の活動は未定ながら「夫のお世話を頑張りたいと思います」
- 楽園15周年記念の描き下ろし本をCOMITIA150で販売 原画展やトークショーも
- 【甲子園】東海大相模が8強一番乗り 9年ぶり準々決勝進出 広陵との強豪対決で投打に圧倒 神奈川勢夏7連勝
- 巨人ドラ1右腕「目指して」いた大学同期の新人対決はお預けに 台風7号接近の影響で16日の試合中止
- 2児の母・近藤千尋、手作り弁当&「魚レシピ」披露に「めっちゃおいしそう」「毎日品数多くて尊敬」の声
- 「ドラゴンクエストIII」発売記念で「ドラクエ4コマ」復活!公式SNSで作品を順次公開
- 真実を見通す“物見の聖女”が帝位争いに巻き込まれる「聖女ヴィクトリアの考察」
相关推荐:
- 【週間投げ釣り情報】徳島・吉野川河口でニベ54・9センチ
- 「ブラックペアン シーズン2」の伊與田英徳プロデューサー「天城は、二宮さんじゃなかったら生み出せなかったかも」
- 【園田・人気ジョッキーは語る】ツムタイザン(11R)で連覇目指す杉浦健太騎手「思い切って行くことも」
- 薬丸裕英、岡江久美子さんとの記念すべき1枚で日焼けし過ぎの“犯人”明かす「僕が怒られたのはこの人のせい!」
- 一族の陰謀と2人の男の間で揺れるヒロイン描く、和風ファンタジー婚姻譚「嫁食い」
- バレーボール・古賀紗理那、引退会見 都内で始まる 競技人生20年思い語る
- 藤田菜七子騎手は新潟で土日計9鞍 初戦は出遅れたツキノサクラ「追い切りでは未勝利レベルの馬じゃない」
- パリ五輪の聖火リレーに猛ツッコミ「そこから何人いった?」松嶋尚美は困惑
- 一峰大二原作のアニメ「電人アロー」AI自動着色技術で白黒からカラーに(動画あり)
- 松若風馬騎手が再び音無厩舎所属に 現在は騎乗停止処分中
- 「自分と重ねてしまった」金子恵美氏、不倫発覚の玉木氏会見で感じた「余計な発言」語る…「ゴゴスマ」出演
- 「ドラゴンクエストIII」発売記念で「ドラクエ4コマ」復活!公式SNSで作品を順次公開
- NHK大河「光る君へ」宇治での逢瀬「この川で2人流されてみません?」が生んだ未来…三条朝には異変も 第43回みどころ
- ファミ通「ドラゴンクエストIII」発売記念特集号で堀井雄二と坂口博信が語り合う
- 【齋藤彰俊ヒストリー《13》】三沢光晴さん…11・17愛知県体育館「引退試合」
- ジャイアント馬場さん「命日」に「没25年追善」&「太陽ケア引退」&「木原アナ35周年記念」興行…来年1・31後楽園
- ドラゴンと江戸が交わる、波乱に満ちた歴史ファンタジー「ドラゴン奉行」1巻
- NHK大河「光る君へ」宇治での逢瀬「この川で2人流されてみません?」が生んだ未来…三条朝には異変も 第43回みどころ
- アニメ「SAKAMOTO DAYS」2クールで来年1月放送開始、OP曲はVaundyが書き下ろし(コメントあり / 動画あり)
- 空手の試合中に危険行為で物議…選手の所属会が謝罪、セコンドは「無期限の謹慎」処分に